絶滅生物名鑑

名称 ニホンオオカミ

体長は1m前後。肩の高さは約50cm。北海道のエゾオオカミや、国外に生息するその他のオオカミとくらべるとかなり小型だった。他には 短い耳が特徴とされる。

ニホンオオカミ最後の一頭は、1905年1月、奈良県で猟師によって捕獲された若いオス。イギリスの動物学者によって購われ、剥製にされ今は大英博物館に展示されている。ニホンオオカミの標本は非常に少なく、海外には他に、オランダのライデン博物館に1体。日本国内にも3体の標本しか存在しない。

ニホンオオカミについての学術的な記録は無いといって問題ない。それゆえ彼らの生態は謎に包まれたままである。一匹狼という言葉があるが、ニホンオオカミは小さな群れをつくって行動していたらしい。ただ、その数となると、2,3匹という記述もあれば10匹以内という記述もあるように、資料によってまちまちだ。

そのため、ニホンオオカミの姿を探ろうとすると、伝説的な要素を排除しきれない。狼、平仮名で書くと「おおかみ」となるが、この大和言葉は「大神」からきたらしい。八百万の神々の国なのだからオオカミが神になっても不思議はないが、「大」という文字がつくのは余程の畏られ方ではない。欧米での嫌われぶりと比較するとと面白い。

ニホンオオカミの絶滅原因は、江戸時代に蔓延した狂犬病と、明治時代に海外からきたジステンバーの感染、流行があげられる。
シカの減少や維新後の開発による環境破壊も原因だったとされる。といっても、わずか3,40年で田舎の山野までが大きな変化をしたとは考えづらい。ニホンオオカミの絶滅は歴史の必然だったのだろうか。

【PR】世界の名探偵・・・現役探偵が作った「世界の名探偵」をご紹介!